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私たちの始まりは、大学での計算機システムの研究開発活動でした。計算機システムの研究開発には、単なる総合的な性能の改善だけでなく、特定の用途に適した高性能化や利便性の向上を行うことが必要とされるようになっています。

そこで私たちは計算機システムだけでなく、その上で動作するデータ分析や、人工知能などのアプリケーションまで含めて研究に取り組むようになりました。架空のベンチマークの世界から離れ、現実の世界の様々な方の困り事を聞いて回ることで、実際に計算機システム能力を必要とするアプリケーションを探したのです。

すると、人間がやらなくてよい非創造的な仕事や人間が不得意な仕事を人力でこなしている現場がたくさんあることがわかりました。これらを軽減して解決するアプリケーションを、私たち自身で計算機システムや人工知能などの技術的知見と大学や研究開発機関の先端技術を活用して作っていきました。もちろんあらゆる全てのことが解決できる訳ではないですが、広い範囲の先端技術を組み合わせ発展させることで多くの非創造的な仕事を減らしていけると感じました。

このような困り事が解決されていなかったのは、研究の世界と現実の世界の距離が遠いことにあると考えています。これまでの取り組みの中で気づけた困り事は少しだけですが、世の中にはもっと多くの問題があるでしょう。そこで、より広く問題を解決していくため、ネットワーク、計算機システム、深層学習、ミドルウェアなどをそれぞれ専門とする大学教授、准教授、研究者が出資して、企業活動としての第一歩を踏み出しました。